第48回
タイムリミット150日の記録 その3
理念は2つのWで構築する
カフェのサービスには2つの機能がある。
1つは快適、便利、安い、早いと云った機能性のサービスです。
その代表的な業態はセルフサービスカフェです。
もう1つの機能は「好き・嫌い」「感動する・しない」
「正しい・正しくない」で評価される情緒性サービスです。
松井さんはこの情緒性サービスを重視した
カフェを創ろうと決意しました。
この情緒的サービスのカフェを考えた
松井さんのひらめきと発想には2つの「W」がありました。
その2つのWとは「WHY」と「WHAT FOR」と云う
6W3Hの内の2つです。
「なぜ自分はカフェと云う事業を選んだのか、それは何の為か」
と云う理念が明確でないと企業が事業として行う事を
社員にも得意先や金融機関にも
説明が出来ないと思ったからです。
この考え方は極めて大切です。
企業の生命は20年と良く云われます。
成功し社会からの公器として認められた企業の共通点は
自らの経営理念に最も忠実であった事と
松井さんはかつて経営者のセミナーに出席して感銘したからです。
その理念の根幹をなすものが2つの「W」です。
松井さんのWHYは、
カフェは人々の生活の豊かさと
人の心を結びつけるのに必要な
「文化」があるからである事、
WHAT FORはカフェの事業を通じて
会社の発展と世の中に貢献出来る事、
その結果として社員の幸せにかならずなると云う確信が持てる事。
松井さんはこの2つのWでカフェを
事業として展開する事を役員会議で発表したのです。
『なぜ、何の為を利己しか向けなかった企業が衰退していった』
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