第84回 ソニーの歴代広告のなかで、最も印象に残っているものはなにか? かつてトランジスタが長持ちすることをアピールするために「ソニーのトランジスタは永久保証」と広告したことがあったそうだ。ところが何年もたってみると、やはり「永久に」保証するなんてことはできないのであった。 ふたつめは、ソニーがロゴデザインの変更を企画して、デザインを公募したときのことだ。世界中から、すぐれた次世代ロゴマークのデザインが集まり、優秀作のデザイン案とデザイナーの名前を発表する新聞広告を出した。その時、自分が何歳だったのか覚えていないが、それらのデザインのなかには、斬新なものがいくつもあって、そのカッコよさにまずびっくりした。広告の本文には、それらのデザイン案につづけて、こんな趣旨が書いてあった。 三つ目は、みなさんも覚えているだろうと思う。ベータマックスがいよいよ劣勢に立たされたときだ。「ソニーはベータマックスをやめません」と全面広告を打った。 都合の悪いことはあいまいにしてごまかすのがふつうの会社のやり方だが、ずうっと前から彼らはこんな広告を出していた。誠実で前向きなこの3つの広告で、ぼくはますますソニーファンになった。 |
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