第82回 広告で「何を」伝えるか。(1)事実と(2)解釈(3)評価の要素がある。解釈と評価でうめつくされるものは、まず平凡になる。次に、それらの要素を「いかに」伝えるか。これが広告のレトリックである。 レトリックは、その表現がカッコイイかどうか、面白いかどうかという点で、受け手の「共感」を得ることをめざしている。 お店に似たような商品がいっぱい並んでいるとき、人は何をカギとして商品を選ぶか。価格やパッケージなどもあるが、だいたいはその人が「記憶しているもの」の中から選ぶ。知らないものに手を出すということはまずない。使ったことはなくても、商品名などが頭のなかに定着していれば有利だ。 TVの初期には、商品名連呼型のCMが多かった。連呼すれば覚えてもらえるという素朴な信仰があったのかもしれない。現在では連呼型はさすがにすたれた。しかし面白いことでなんとか記憶に残ろうとする広告も、記憶頼みである点において、連呼型と同じ構造をもっている。 おもしろ広告の代表選手には、一連のキンチョールとか、衝撃的な温泉卓球のサッポロ黒ラベルとか、AU「面白い方のケータイ」、サントリーのBOSSなどがある。実際こうして覚えているわけで、いずれも表現としては一級だった。 |
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