第33回
はみだしケーエイ学2: 起業の連鎖。

まだ成功してないぼくに、
なぜ邱さんがこういったコラムを書くチャンスをくれたのか、
その意図の正確なところはわからない。
「創業大学」という名前からは、これから創業しようとする人を
後押しするような情報であるべきと思う。

ふつうに考えれば、
起業して成功した人の経験談を聞きたいところだ。
ぼくが書けることといえば、
「いま、こういう考え方で一生懸命やっています。
でも、まだ成功していません」というもので、
ハナハダ説得力に欠ける。

ひと様に対して、少しでも自分が言えることは何か?
立派なことを言っても「でも、お前まだ成功してないじゃん」
と思われたら、オシマイではないか。
会社を「京セラ」にしてないぼくが、
たとえ稲盛会長と同じことを言ってたとしても、
読まれ方が違うのはしかたない。

ただ、ぼくの方が説得力が強いことがある。
稲盛会長ほどの人間でなくても、起業はできる。
成功してなくても、起業してみる人生はそれなりに楽しい。

そもそもがあまり社交的でない人間がつくった会社でもあり?
スイスイ社がこれまで出会った人脈は、ごくわずかなものだ。
けれども、出会ったときは会社員であった人たちが、
その後会社をやめて転職したり独立したりという事例は
けっこう多い。
一般社会の平均より、
スイスイ社の周辺では「独立・起業密度」が
すこし濃いかもしれない。
聞いてみると、
ぼくも彼らになんらかの刺激を与えているそうである。

早い話が、あいつでもやっているなら自分にできないハズがない、
と考えるのじゃないか。
稲森会長だったら、これは特別な人で自分とは違うと思うだろうが、
ぼくであれば、比較対象になる。
まあ、ぼくの人生観が、他人に影響を与えることもあると思うと、
悪い気もしない。

身近な人間の起業は、
起業の連鎖を呼ぶことがあるのかもしれない。
してみると、
ぼくが創業大学で愚見をさらすことにも多少の意味はある、
と自分では考えることにしよう…


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