税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第22回
差額なんだよっ消費税

会社は1年に1度の申告で、
その年度に納めるべき税額を確定します。

法人税や法人事業税であれば、
会社が稼いだ利益に、税率をかけて計算しますし、
法人住民税であれば、
計算された法人税に、また別の税率をかけて計算します。
よって、これらのどの税金も、
利益がベースになって計算されるため、
利益のない赤字会社は、
納める必要がないことになります。

ところが、消費税はそうではありません。
消費税は、これらの税金とは異なり、
もらった額と支払った額との差額を納めるものです。
よって、利益が計算のベースになっていないため、
例え赤字会社であっても、
納めなくてはならない税金なのです。

具体的には、例えば、
840円で仕入れた商品を1050円で売ったとしましょう。
会社は、仕入れたときに40円の消費税を支払いました。
そして、売上げたときに50円の消費税をもらいました。
よって、
もらった50円から支払った40円を差し引いた残りの10円を、
確定申告して納めることになります。

中小企業の社長さんたちは、
「どうしてこんなに消費税を払わなきゃならないの?」
と、よくボクらにこぼします。
消費税がなかった時は、
赤字会社は税金を納めなくてもよかったわけですから、
ある意味仕方ない部分もありますが、
導入されてからもう10年以上も経っているのですから、
いい加減、消費税のからくりを、
理解してもらいたいところです。

とはいえ、消費税には、
消費税としてもらったお金を納めなくてもいい、
というケースが認められていて、
これが『益税』といわれる消費税制度における
最大の問題点なのですが、
これについては、また明日。


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