税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第20回
正直者はバカを見るのか?

社会保険とは、
「キミが困ったら助けてあげるね、
だからボクが困ったら助けてね」
ということを取り決めた、
国全体としての相互扶助活動です。
よって、
個人で勝手に入る入らないを決めることはできず、
国民健康保険や健康保険ならば、生まれたときから、
厚生年金であれば、働き始めたときから、
国民年金であれば20歳以上の国民全員が、
加入しなければならないことになっています。

とはいうものの、
年金なんて社会人になってから払うもの、
と思っている学生さんは、まだ相変わらず多いようですし、
社会人になったとしても、
小さな会社などでは、
社会保険未加入のところも多いと聞きます。

なぜこれが許されているのか?

それは、社会保険に、
加入の有無を監視する機能がないことと、
未加入者へのペナルティに強制力がないことがその理由です。

例えば、家を建てて登記をすると、
登記情報が税務署に回って、
過去の収入がその取得に見合うものだったか?
隠し財産はなかったか?
誰かからお金をもらって買ったのではないか?
というような内容で、
必ず問い合わせが来ます。
その際、何か見つかれば、
当然追加で納税が求められますし、
悪質であれば、それなりの反則金が課されます。

社会保険には、こんな簡単な連絡システムもないうえ、
未加入者、滞納者に対するペナルティも、
あるにはあるけれどもそれが機能していないのが実状です。

きちんと払っててもそれだけの分が戻ってくるわけではないし、
そのうえ払わないでもお咎めなし、というのであれば、
やっぱり正直者はバカを見るのか?

また明日。


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