第5回
使途秘匿金(しとひとくきん)ってどんなこと?
会社は、
1年間に稼いだ利益について、
年に1度、税務署に申告することになっています。
利益が収入から経費を差し引くことで求められるものだとすると、
正しい利益を求めるためには、
収入も経費もどちらも正しいものでなければなりません。
税務署が求める正しさとは
即ち、「客観性」といえます。
つまり、「誰がいつ見ても同じように判断できる。」
ということです。
そのために、
いろいろな届出が必要であったり
契約書が重視されたり、
領収書などの保存が求められたりします。
ただ千春氏は、
外注費の一部につき、
その相手先や、その内容を明らかにしませんでした。
これは、求められてる客観性を自ら放棄するもので、
税務上、使途秘匿金といわれます。
お金というのは、あげた人がいればもらった人がいますから、
もらった人を特定できないのであれば
その分課税漏れが生じます。
税務署が使途秘匿金にペナルティを課さないということは
目の前で事件が起こっているのに見逃すおまわりさん
と同じようなコトですから、
経費として認めないばかりでなく、
その支払額について40%もの高率で課税して、
より適正な会計処理を促しています。
例えば100万円を使途秘匿したことが調査で見つかると、
法人税等45万円、過少申告加算税4万円、
使途秘匿金課税にかかる法人税等45万円、
重加算税として14万円、
これに延滞税がかかってきますから、
ざっと計算しても、
秘匿した金額と同額以上の税負担が、追加で必要になります。
千春氏の会社がこれだけの税負担をしてまで
秘匿しなければならない理由は何だったのか。
このお金の流れの先に鈴木宗男氏がいるのでは???
というのが週刊誌の視点でした。
明日に続きます。
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