クレソンは、漢方では、
からだに熱があるときに熱気を取り去るとか
結核や咳に効くと申します。
ですから、夏の暑さで参ったときや、
夏風邪で咳がひどいときなど、
小さいときからよくこのスープを飲まされたものでした。
夏、というのは、クレソンが安くなるからです。
クレソンをたくさん入れますので、
やはり高価な時期には
そう度々作るわけにもいきませんでしたから。
もっとも、肉を入れないで、
砂糖漬けの棗をクレソンと一緒に3時間煮込んだスープも、
母がよく作ったもので、身体の調子が悪いときに、
シャキッとするからといって飲まされました。
こちらのほうは、私は大きらいで、
今でも、とてもいただく気になれません。
その点、この西洋菜湯はとてもおいしいスープです。
鶏もものかわりに、がらを入れてもかまいません。
でも、いずれにしても、肉の臭みを取るためには、
しょうがを必ず入れてください。
しょうがを入れてあれば、こしょうは要りません。
豚のもも肉はだしを取るために入れるのですが、
適当な大きさに切り、
辛子じょうゆやかき油で召し上がっていただくとよいでしょう。
こうすると、一度に一汁一莱つまり、
二品の料理ができてしまうことになります。
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