第8回
鶏と椎茸のスープ |
これはスープといっても、
煮るのではなくて、蒸器の中にふたをした
容器を入れて蒸す方法で作ります。
つまり、日本の茶碗蒸しと同じことですね。
この方法で作ると、なぜか煮たスープより
ずっとおいしいですし、栄養もあると、
私どもは主人の父の代から
そう信じてきました。 |
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多分、煮るよりも蒸すほうが、
温度が一定以上に上がることもなく、じわじわと火を通すので、
ビタミンなど、その他の栄養分が
こわれないのではないでしょうか。
父はわざわざ専用の二重鍋を作らせたくらいでしたから。
一方、私の父は漢方薬屋をしておりましたので、
私もこのスープに漢方薬を入れたものを、
昔はよくいただいたものでした。
たとえば杞子、党心、北奇などを入れるとからだを温めますし、
疲労がたまったときにはぴったりなのです。
そのときのからだの状態に合わせて入れるものを変えるわけです。
椎茸を砂糖と油でもむのは、ツルツルにするためです。
でもその後水で洗ってくたさい。
それでないとスープに油が浮いてしまいます。 |
作り方 |
1. |
干し椎茸は水でもどしてから軸を切り取り、砂糖と揚げ油でよくもみ、10〜20分間おいてから水でさっと洗います。 |
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2. |
鶏はよく洗い、ふたつきの大きな器に入れ、椎茸、酒、熱湯、塩を入れ、和紙をのせてからふたをし、中火で一時間半くらい蒸します。 |
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調理のポイント |
煮ないで蒸して作るスープ。蒸すほうが味も香りもずっとよくなります。干し椎茸はもどしてから砂糖と油でもんでおきます。
油でもんだ椎茸は、水洗いしてからスープに入れます。 |
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