第179回
新鋭機なのに異常を連発
一週間ほど日本を留守にしていましたが、
日本エアシステム(JAS)の機材異常の問題は、
まだ解決していないようですね。
同じ機材に使用されているエンジンに、
これだけの異常が見つかったということは、
JAS側の整備云々ではなく、
おそらくエンジンの製造過程ですでに問題があったと
考えられるのではないでしょうか。
旅客機のエンジンを造るメーカーには、
自動車で有名なロールス・ロイス社や、
プラット・アンド・ホイットニー社などがあります。
旅客機のメーカーとしては、アメリカのボーイング社や、
ヨーロッパのエアバス社が有名ですが、
エンジンの場合、また別にメーカーがあるわけです。
今回、異常が見つかった機材には、
プラット・アンド・ホイットニー社の
エンジンが使われています。
ただ、通常、旅客機は世代が新しいほど、
性能が改良されていく傾向にある。
異常が減り、同時に事故も減っていく傾向がある。
旅客機メーカーの両雄であるボーイング社とエアバス社。
ボーイング社の「第1世代」機はB707や707ですが、
今ではすでに「第4世代」まで進み、
最新型のB777(トリプルセブン)の場合、
人身事故は一度も起こしていないはずです。
エアバス社も初期型のA300型から、
最新型のA340型機が活躍し、
やはり重大事故は起こしていません。
今回、異常が見つかったMD80シリーズも、
マクドネル・ダグラス製では新しい飛行機です。
ですから、これだけのまとまった機材が異常を起こすのは、
珍しい。もちろん、人身事故などではなく、
エンジンに異常が見つかっただけですが。
マクドネル・ダグラス社は、現在では、
ボーイング社に吸収されてしまっていますから、
MDシリーズはボーイング社製となっていますが、
シリーズ初期型のMD11は、もともと
前身のマクドネル・ダグラス社で開発されたものです。
エンジンとそれ以外の機材の異常を一緒にするのは、
少し乱暴かもしれませんが、いずれにしろ、
今後の原因究明に注目したいところです。
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