旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第170回
空港を上手に使う

空港取材は、私にとって、
ほとんどライフワークとなっています。
関係者にアポイントを入れての取材はもちろん、
旅の途中での空港ウォッチング、
すなわち「覆面取材」も趣味的にしています。
ビジネスクラスに乗っているときは、
空港ラウンジを使わせてくれますから、
ソファにでもふんぞりかえっていればいいのかもしれませんが、
ついついフロアに出てしまいます。
落ち着かない性格なのか、根が貧乏性なのか。
その両方なのか分かりませんが。

最近はどの空港もホームページを持っており、
どういう施設や設備があるかは、
それを覗けば分かるようになっている。
ですが、たとえば免税品の品揃えのよさ、
レストランの味のレベルはどうか、
マッサージの腕は確かか。
そんなことはひとつも書いてない。
利用客としては、そこを知りたいわけです。

それを知れば、空港での時間つぶしの方法も
おのずと決まってきます。
たとえば、バンコク国際空港での出発待ちには、
腕が確かなマッサージで寛いでからの搭乗がお薦めです。
JALや全日空、ヴァージン航空が発着する
ロンドン・ヒースロー空港のターミナル3。
ここは改装されて以来、ショップが充実。
免税で買えるブランド店も増え続けているようです。
「ポール・スミス」や「ゼニヤ」など、
自分の好きなブランドがあると、
ついつい入ってしまいます。

逆に、早く着いても時間を持て余すのが、
アメリカのロサンゼルス国際空港。
一番大きなターミナルのトム・ブラッドレイでさえ、
カフェやレストラン、ショップが数軒あるくらい。
飛行機の写真を撮る趣味でもあれば別ですが、
ほかに特にやることはありません。
ベンチだけはたくさんありますから、
そこで本でも読むしかない。
アメリカの空港はどこも同じようなものですから、
なるべくギリギリに空港に行くようにしています。

空港で過ごす時間も旅の一部。
ちょっと工夫してみてもいいかもしれません。


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