第100回
機内食はおいしくなくて当たり前!?
昔ほど飛行機で出される機内食に期待する人は減ったようですが、
それでも食べるからには、ある程度以上の味のレベルは保って
もらいたいものです。
ただし、機内食には衛生上の制限があるため、
料理によっては諦めるしかないものもあります。
たとえば、オムレツの卵。個人の好みにもよるでしょうが、
これは半熟気味に調理してあった方がおいしい。
日本発の飛行機で出されるものはしっかりと火を通してあります。
機内食の衛生上の規定は、国によって微妙に差があるのですが、
日本発は、特に厳しく管理されているといえます。
ヨーロッパ発のオムレツは半熟気味で出されて、
けっこうおいしかったりしますから。
和食も機内食では調理しにくい料理のひとつ。
生の刺身は出せませんから、刺身や寿司は一度火を通してあります。
当然、地上の味と同じものが出ることはありません。
ステーキの肉に完全に火が通ってしまっているのも、
主にはそうした理由からです。
それを逆手に取って好評を得ているのが、
大韓航空で出されているビビンパではないでしょうか。
これは、完全に火を通してある方がおいしいわけですから。
費用の問題もあります。
空港にあるケータリング会社は航空会社から出される予算をもとに、
その中でおいしいものを出そうと工夫しているわけですが、
エコノミークラスの予算は一食当たり1000円を切るは当たり前で、
機内食の評判が芳しくないアメリカ系の某航空会社は、
500円前後しかかけられていません。
カチカチに冷凍されて船便で数ヶ月かかって運ばれてきた肉、
そんなものをいくら上手に調理したからといって、
おいしく食べられるようにするのは至難のワザです。
ハンバーガーやおにぎり、サンドイッチなどを配る。
好きなものを選べるようにする。
航空会社ではいろんな試みを行っていますが、
エコノミークラスの場合、
同じメニューをたくさん用意して出すという現在の方法が、
予算的にも、乗客からの要望の面でも、
最善の方法だと判断されているようです。
あまり期待せず、ビールで流し込む、
おいしい機内食に当たったらラッキー、
というくらいの気持ちで入るのが正解かもしれません。
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