旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第89回
旅行パンフレットはなくなる!?

日本の旅行業界は、ハイテク化の波に乗り遅れていました。
非常に乱暴な言い方ですが、先進国での中で比較すると、
そういう印象があることは否めません。
それを象徴しているのが、街角の旅行店舗に並ぶ、
大量のパンフレット類です。
しかし、最近になってようやく、旅行商品を
パンフレットではなく、ウェブ上で旅行商品を閲覧できるように
しようという動きが活発になってきました。

なかなかおもしろい工夫もされています。
たとえば、ウェブ上でパンフレットをめくるようにして、
旅行商品を検索できるようにしようという試み。
消費者は、今までパンフレットを見慣れていたわけですから、
ウェブ上に載せられても、違和感なく見られるように
しようというのがその狙いです。

旅行パンフレットは従来、半年に一度のペースで印刷され、
店頭に並べられてきました。
しかし、最近は値下げした商品やテーマ別の商品など、
様々なパンフレットを別刷りにして出しています。
別刷りのパンフレットは以前からありましたが、
消費者の志向が多彩になってきたので、
それに呼応するように種類が増えてきたのです。
最近は、分厚い従来型のパンフレットに載っている商品より、
チラシに載っている商品の方が売れる「逆転現象」も、
珍しいことではなくなりました。
チラシに載っている商品の方が安いのが、その理由です。

そんな複雑かつ種類の増えた印刷物を、
ウェブ上に載せてしまえば、コストの削減になります。
消費者にとっても、店頭までパンフレットを
探しに行く手間が省けます。
そんな当たり前といえば当たり前のことが
今まで実施されていなかった。
それが、ようやく動き出してきたわけです。


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