中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4295回
保険業も金融業の仲間に入ります

お金でお金を儲ける商売は当分、駄目と言いましたが、
お金でお金を儲ける商売は銀行だけではありません。
保険会社も証券会社もお金を扱う商売です。

貧乏な社会から経済が成長をはじめると、
お金が猛烈な勢いでふえはじめます。
今まで生命保険にも入れなかった人が生命保険に入るし、
家や車の保険がかけられなかった人が
火災保険をかけるようになります。
また今まで株なんか眼中になかった人が
株で一儲けしようという気を起します。

生命保険も火災保険も紙一枚発行しただけで
莫大な資金を集めるようになり、
その資金で不動産やら株やら債券に投資をします。
景気のいい時はそれらの投資が大きな利益をもたらしますから、
保険株は例外なく高値をつけます。
私にすすめられて保険株を買った人はとても喜んで、
「いつが売り時ですか」とききますが、
私は冗談半分に「保険は解約するものですか」とききかえします。
私自身は倍になったら半分売って残りを只にしましたので、
ずっと株価も見ませんでしたが、改めて株価を見ると、
びっくりするほど下がっているのですね。
どうしてこんなに下がるかというと、
お客から預ったお金で手に入れた資産が
大下がりに下がっているからです。

もちろん、その中には国債もあれば、債券もありますから、
企業によって大きな損害を蒙る可能性もあります。
しかし、銀行のようにお客から預かったお金ではありませんから、
大損してもお金を返えせとは言われないですみます。
その代わり東北大震災のようなことが起ったり、
タイの水害のようなことが起ったら、
弁償金だけでも大へんな額にのぼり、
日本の保険会社は海外投資の回収をするに違いないと見込まれて、
一足先に円が買われるということも現実に起っています。
中国の保険会社は日本の保険会社と立場は違いますが、
こんな状態が続くと投資資産の目減りは避けられないので、
投資家の敬遠する業種の仲間に入れられてしまうのです。


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2011年12月13日(火)

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