第4281回
問題山積、株価にも大きな影響
昨日も申し上げましたように、
総統の交替する年は政府が
事無かれをモットーとする動きをするので、
これまでやってきた方針を大きく変えることは先ずありません。
従って金融引締めをやめることも考えられないし、
人民元を思い切って切り上げることも控えるでしょうし、
インフレ退治のために
食品業界にいちゃもんをつけることもやめないと思って
先ず間違いありません。
しかし、総統が変わると、
たとえ同じ畑に育った人物でも、
前任者と違った動きをするでしょう。
次の中国の総統が何を考え、
どんな動きをするかは今の時点ではわかりませんが、
国内的に
(1)バブルがはじける時期に来ていること
(2)これ以上インフレにスピードがかかることを防ぐ必要のあること
(3)食糧の不足に対応して農業の振興に力を入れること
(4)賃上げと人手不足にブレーキをかけるために
省力化、自動化を促進すること
(5)老齢化に備えて医療、健康対策に力を入れること
(6)資源の獲得のために手持ち外貨を活用すること
(7)激化する国際的な敵対関係に対応する政策をとること等々
解決すべき問題が山積しています。
とりわけ次の10年は過去の10年と違って、
地域別に解決すべき問題が山積するようになるので、
中央の命令1つで解決することが困難になります。
そのために行政地域の再分割や地方自治の強化、
更には豊かになった人々の要求に応える
体制の改革を迫られることもあり得ます。
以上のどれ1つを取り上げても、
大へんな対応を迫られるし、
産業界が受ける影響も大へんなものです。
当然のことながら、上場会社だって業績によって、
また経営者の対応如何によって
浮沈に大きな大きな差が出てきます。
たとえば、大量の不良債権を抱え込む銀行や保険会社と、
不足する食料を供給する立場にある食品供給業者とでは
株価に大きなひらきができることは
素人でもわかるのではないでしょうか。
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