中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4279回
大きな変化は2013年では?

ユーロやアメリカの金融不安の影響もありますが、
中国でも「逆にお金を貯めすぎたこと」がもたらした弊害が
表面化しはじめています。
そろそろバブルのはじけるシーズンに入ってきたので、
その準備をした方がいいと少し前に私も警戒警報を発しましたが、
ご存じのように、
経営者の夜逃げと投身自殺は温州からはじまりました。

新聞は一せいにマンション群の空室模様を報じ、
不動産の値下がりや投げ売りを槍玉にあげています。
しかし、これでバブルの崩壊がはじまったわけではありません。
金融引き締めを不動産売買に対する制限が
やっと効果を見せはじめた程度で、
本格的な不動産の大暴落はもう少し先のことです。

というのも来年は中国の総統の入れ替わる年にあたり、
平穏に引き継ぐために事なかれが
主流になると考えられているからです。
胡錦濤の8年間にも大きな経済の発展はあったし、
オリンピックからはじまって万博まで
中国の国威を発揚するニュースには
事欠かないだけの業績はありましたが、
国の体制は「変化を望まないこと」で
終始していると言ってよいでしょう。

しかし、この期間に国全体の所得水準は大きく向上したし、
皆が豊かになっただけでなく、
パソコンや携帯電話が普及したこともあって、
政府に望むことや批判の声もかなりの成長をしています。
そこにインフレやバブルの発生がはじまれば、
いつまでも無為無策というわけには行かなくなります。

来年の選手交替までは
問題の解決を先延ばしにすることができたとしても、
再来年になったら不動産の暴落は抑え切れなくなるし、
これ以上食料品に役人が圧力をかけたら、
流通に問題が発生することも考えられます。

そうした問題の先延ばしができない時が2013年かな、
と私は先を読んでいますが、
その通りになるかどうかはその時になって見ないとわかりません。
しかし、そのことを頭に入れて、
株のやり方も、事業の進め方も策略を練る必要があります。


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2011年11月27日(日)

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