中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4271回
私たちの住む環境にも大きな変化が

ギリシャの国の借金の後始末がまだ片づかないうちに、
それがイタリアの国債に飛火してしまいました。
イタリアはユーロの中では3番目の大国ですが、
その負債の額は日本に次ぐと言われています。

となると、イタリアよりも、
日本の政府の負債の方が先に問題になりそうなものですが、
ヨーロッパを敬遠した遊資は
ドーっと日本へ流れ込んでいるのですから、
「お金がメクラ」なのか、日本の借金の額が間違いなのか、
何が何だかさっぱりわかりません。

ただひとつはっきりしていることは、通貨が紙でできていて、
その発行権がそれぞれの国にあれば、
国の借金が山に負けない高さまで積み上がるようになり、
やがてその清算をせまられるようになるということです。
本当はアメリカだってその例外ではありません。
アメリカの政府は山のてっぺんにあって、
そこに負債の洪水が届く前にユーロの国々が先に
借金の洪水に見舞われているということです。

似たようなことが実は天候にも起っています。
バンコクが突然、大洪水に見舞われていることは
連日のニュースが報道している通りですが、
新たにカンボジアの大洪水が報道されるようになりました。
こうした一連の異変は
地球上の気象に大変動が起っている何よりの証拠で、
ずっと以前から報道されている地球の温暖化が
いよいよその代価を払わされるレベルまで
届いた証拠になるのではないでしょうか。

地球の温暖化が進めば、
北極と南極の氷が溶けはじめますから、
地球上を漂う水がふえます。
すると今まで水辺に建てられた都市や
農産地帯は水没することが避けられなくなります。
年々それが進むので、ベニスからはじまってバンコクも
やがて海の中に姿を消してしまうのではないでしょうか。
経済社会に大変化が起っているように、
地球にも大きな変化が起っているのです。
すぐに私たちの住む所がなくなってしまうわけではありませんが、
変化に対応して私たちも生き方を変える必要がはじまったのです。


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2011年11月19日(土)

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