第4182回
利益を生む人とサラリーで暮らす人
「もしもしQさん」で高島秀行弁護士の
「資産を守り残す法律」のコラムを見ていたら、
「事業を行う人がいないと」という一文が目について、
読んでいるうちに思わず衝撃を受けました。
世の中には事業を行って利益を生み出す人と、
その利益の中からサラリーをもらうサラリーマンがいて、
政府もサラリーマンから税金をとっているけれども、
その税金も事業を行っている事業家が生み出したものだから、
もう少し事業家を優遇してもいいんじゃないか――
という主旨の文章ですが、読んでいるうちに、
もしかしたらお金を扱う人は二分することができて、
お金を生み出す人と、その人たちからお金をもらって生きる人に
二分できるんじゃないか、とひらめいたのです。
私はお金の動きにはいつも神経を使っていて、
さまざまの角度から観察していますが、
お金を稼ぐ人とそのお金をもらって生活をする人に
二分して考えたことは一度もありません。
お金を稼ぐ人も
もとはサラリーをもらうところからスタートしていますから、
両者は同じ根から育ったものと思いこんでいたのです。
でもそう言われて見ると、同じように根を持っていても、
「お金を稼ぐ人」と「サラリーをもらって一生を送る人」は
もともと別の品種で、枝が伸び、葉をつけて行くうちに
その違いが誰の眼にもはっきり見えてくるのではないか。
現に私のところには色んな青年が集まっていますが、
私が育てたいと思っているのは
「事業を行って利益を生み出す人」であって、
「人の仕事を手伝ってサラリーをもらって一生を送る人」
ではありません。
でも利益を生み出す人は世の中に一握りしかいません。
珍品種なのです。
中国語にも「役人になって出世する子供はいくらでもいるが、
生意仔(商売のできる子)はなかなか生まれて来ない」
という諺があります。
もしかしたらお金を生む人と生まない人に二分して
世の中の動きを見れば、
新しい発見があるのではないでしょうか。 |