第4158回
先入観が躓きの石になります
自分が成功した事を自慢するのは気分のいいことかも知れませんが、
次に新しい仕事をやる時にさして役に立ちません。
それに比べて失敗してひどい目にあったことは
身にしみていますから、役に立ちます。
現に私にも「失敗の中にノウハウあり」という著書があります。
原稿を依頼した週刊朝日は面白半分に
「金儲けの神様が儲けそこなった話」というタイトルをつけて
読切りで30回にわたって連載したのですが、
書かなかった失敗話もありますから、
実際は30回どころの騒ぎではありません。
それを読んだ読者の方から
「そんなに失敗ばかりして、
邱センセイはどうやって生活をしているのですか」
ときかれた事があります。
30回失敗をくりかえしたとしても、
10回に1回か、あるいはもう少し多く
失敗しないですんだ経験があります。
1回の成功が10回の失敗をカバーしてあまりあったので、
何とか恥をかかないですんでいるのです。
同じことをくりかえしているのなら、
前者の轍を踏まないですみますが、
私の場合は次々と新しい試みに挑戦するので、
また新しい失敗に出くわすのです。
株式投資についても似たようなことが言えます。
株式投資の場合は次々と新しい銘柄に乗り換えるので、
失敗のチャンスは事業をやめるよりうんと多くなります。
失敗する度に、私だって損害を蒙りますし、
普通の人よりかけたお金の多い分だけ損も大きくなります。
今までに失敗した例で言えば
七星購物、大賀伝媒、中国消防といった例があります。
どうして私がこういう銘柄に足をすくわれたかというと、
成長経済の過程で、日本の場合、
テレビショッピング、広告事業、消防産業は
いずれも大きく伸びており、
同じことが中国経済の成長過程でも起るだろうと
早合点したからです。
結果的に言えば、私ともあろう者が、
と言われても返えす言葉がありませんが。
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