第4145回
稀少金属にも注目して見て下さい
黄山のすぐお隣りにある池州市に計画中の
江南産業集中区の現場を見せてもらった後、
車で合肥市に出て1泊してから北京の自宅に戻りましたが、
今回の勉強会はこれで終わったわけではありません。
続けて第70回中国投資考察団の皆さんが東京と大阪から北京に集まり、
次はウルムチ、トルファン、
そして鄭州、洛陽、少林寺と駆けまわって、
最後は上海邱友会と合同の中国株勉強会を上海で開催して
やっと幕が下ろせたのです。
前半の大型農場を5カ所も見学に行った食糧中心の勉強会は
中国の工業化に伴って避けられなくなる食糧不足に
どう対処するかに焦点を搾ったスケジュールでしたが、
40名ほどの参加者を案内してのウルムチ、洛陽まわりは、
実は新興国ブームを見越した上での世界的な資源不足を
中国の資源産業のトップたちはどう考え、
またどう対処しているかを当事者たちからきくためでした。
ウルムチではニッケルと銅を掘っている新疆新鑫鉱業、
また洛陽では洛陽欒川モリブデン集団という
モリブデン生産の最大手の企業を訪問しました。
いずれも山から鉱石を掘り出して精錬する仕事ですが、
産業界の米とも言うべき金属加工に不可欠の資源ですから、
景気不景気の影響は大きく受けますが、利益率は高く、
モリブデンを掘る洛陽モリブデンに至っては
洛陽市のニュータウンに
超豪華なホテルを新築するほどの余裕を持っていました。
また、ニッケルを掘っているウルムチの新疆新鑫は
無借金経営ということもありますが、
昨年度の利益の98%を配当にまわすという気前のよさに一驚しました。
近い将来、新興国の経済成長が軌道に乗りはじまると、
資源不足は一そう深刻化することは目に見えていますから、
これらの中国企業が国際的な動きをすると考えていいのではないでしょうか。
いまはどちらもまだその動きを見せていませんが、
配当に対してこんな気前のいい会社は中国でもほとんどありませんから、
投資家にとって研究に値いすることではないでしょうか。 |