第4081回
「コンビニがなくなる日」のご一読を
私は3日にあげず飛行機に乗って
主としてアジアをとびまわっているので、
どこでどんなことが起っているか、人よりは目につきます。
日本は大地震とその後に続く原子力発電所の事故で、
世界中の注目を浴びていますが、
生産事業も停電やパーツ・メーカーの被害で
減産を強いられていますが、
一番大きな被害を受けているのは流通業ではないでしょうか。
デパートはどこも売上げが3割減だし、
退勤時間になると、どこのサラリーマンも家に直通するので、
レストランはどこも開店休業に追い込まれています。
円高もあって、工場の海外移転が新聞を賑わしていますが、
一番真剣になって海外大移転を考えなければならないのは
本当は百貨店、スーパーからはじまってコンビにまでの
大流通業ではないでしょうか。
そういう目で東京に戻って来た私が本屋ですぐ目についたのが
平野和之という青年の書いた
「コンビニがなくなる日」(主婦の友新書
定価781円+税)でした。
主婦の友は「レストランがなくなる日」とか、
「ブスがなくなる日」とか、
なくなるシリーズをやっているので、
こうしたタイトルがついたのでしょうが、
競争激甚とは言え、
コンビニが他の流通業を次々と追い込んでいる光景が
頭に焼きついているので、思わず手にとりました。
コンビニ同士で死闘を続ければ、
最後には1位と2位しか残らないことは
他の業界と何ら変わりありませんが、
この本は同じコンビニがどんな競争をし、
またどんなロケーションにある店が最後に生き残るかを
地方にある店まで引き合いに出して
わかりやすく説明しています。
日本の商店街が今どんな状態におかれているかを知りたい人に
ご一読をすすめます。
と同時にこれだけ流通業者に関心があるのなら、
日本の流通業界の次の展開がどうあるべきか、
海外進出も含めて著者がもう一歩踏み込んで
研究することをおすすめしたいと思いました。
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