中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4016回
株の理屈は杓子定規に考えないで下さい

値上がりしたらとりあえず売ってお金にしたくなるのが人情です。
反対に売ったら損をする株は
売るに売れずに手元に残ってしまいます。
そうすると気がついたら、手元に残っているのは損をした株ばかり
と言うことになってしまいます。

ですから、株をやる人は気のすすまないことを自分に言いきかせて、
やりたくないことをやり、やりたいことはやらないように
自分自身をコントロールする必要があります。
私がどうして
「買った株が倍になったら、半分売って、
あとの半分は手元に残して、持っていることも忘れて下さい」
と言うかと言いますと、
自分をコントロールのできない不甲斐なさと妥協するためです。

ずっとガマンをしてやっとお金の儲かるところまで来たのだから、
お金の顔を見たいというのは人情です。
売らないで持っていたらまた下げて
もとの黙阿弥になるという心配もあります。
しかし、前にも言ったように、
株が上がって来たということは企業に努力の甲斐があって、
あるいは運がまわってきて、
業績や環境がよくなってきたからで、
上がる株には上がるだけのエネルギーが蓄積されているのです。
ですから「上がる株ほどよく上がる」のは
不思議でも何でもないことで、
売ったらその後が高いという目にあわされることが
珍しくありません。

お互いに矛盾するそうした心の動きを両立させるために
元手だけでも取りかえせば、
次の新しい投資に資金を使えるようになるし、
手元に残した株はどうせ只で、
しかも更に倍になる可能性もあります。
仮りにその後、大暴落にあったとしても
もともと只ですから元値を割る心配はありません。
買った株が10倍になるのではなくて、
只になった株が更に値上がりするのですから、
安心して見ておられます。
5年に10倍というのは、経験的に言って、
10倍になるのにそのくらいの時間がかかると言う意味であって、
理論通りに動いてくれるとは限りません。
何もそんなに欲張らなくとも、3倍だろうと5倍だろうと
本当に上がってくれたら恩の字なのです。


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2011年3月9日(水)

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