中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4010回
一勝負のサイクルは短かくて2年です

株を売るなら
「自分の買値より下がって
なかなか上がりそうにない株を売るべきだ」と言いましたが、
人間心理としては少ししか儲けがなくとも、
損をしていない株を売る方がずっと楽です。
現に自分の持株を見ても、買値より上値にある株は
死んだようにじっとしたまま動かなくとも
さして気にならないのに、
買値を割ったまま動かなくなった株は
見る度に重荷になってのしかかってきます。

ですから重荷の方を先におろしたくなるのは人情ですが、
それがやっと損を免れて、やれやれと思って売った途端に
予想に反して大へんな地団駄を踏まされることになります。
そうならないためには、上がりに転じて動きはじめた株は
売りたい気持をグンと抑えてじっとガマンする必要があります。
反対に買値を大きく割って
どう考えても自分が間違ったとしか思えない株は
清水の舞台からとびおりる覚悟が必要になるのです。
それができる人とそうでない人とでは
長い人生に大きなひらきができてしまうのです。

私でもそういう目にあわされるのですから、
新聞の記事を見たり、プロの言うことをきいて、
高値でとびつき買いをした人は
何回でも同じような目にあわされます。
そうした目にあわされないですむためには
自分でよく研究する必要もありますが、
「今日買って明日売る」といった相場はやめて、
長期的な投資に徹する習性を身につけることが何よりも大切です。

ではその期間はどのくらいかというと、
私の場合は2年から3年と自分に言いきかせています。
2年たっても3年たっても梃子でも動かない場合は
いよいよおさらばかと覚悟をしますが、
反対に株価が倍になっても、3倍になっても、
「もうこれでいいや」と縁を切ることにはなりません。

ところが、私の話をきいてその場でとびつき買いをした人の大半は
「相場をとろう」という姿勢ですから、
風がちょっと逆方向に吹いただけで
あわてて投げに出てしまいます。
その上で私に悪口を浴びせたりしますが、
私の場合の株式投資のサイクルは短くて2年、
長ければ5年なんですから。
お門違いもいいところですね。


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2011年3月3日(木)

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