第3987回
日本人はサービス業に向いています
いまの日本ではデパートもスーパーも
客足が落ちて売り上げは低迷しています。
有楽町の西武も店じまいをしたし、
多くの百貨店とスーパーも
スクラップ・アンド・ビルドを迫られています。
しかし、同じ日本の百貨店でも
スーパーでも早くから中国大陸に進出して
営業をしている流通業者はかなりの業績をあげているし、
更に事業を拡張しようという方向に向かっています。
どうしてかというと、
意外にも日本人の商法は中国人に受け入れられ、
商売が繁盛しているからです。
その原因は何かというと、
一口で言えば日本人のサービスの良さです。
かつて貧しかった中国人は安い物しか買えなかったので、
「安さ」で競争するのが商売だと思われていました。
ところが、少しふところ具合がよくなると、
「欲しい物があるかどうか」の方が重要であり、
更に「気持よく買物ができるかどうか」が
お客を集めるキー・ポイントになりました。
そうした心づかいでは
世界中どこに行っても日本人にかなう人はおりません。
日本企業はどこも幹部の訓練が徹底しており、
それこそお客様を神様扱いします。
現場では日本人のスタッフがいなくて
現地人任かせということは先ずなく、
商品の仕入れから
商品の受け渡しまでトップが目を光らせています。
但し、「日本と違うところで商売しているんだ」
という意識が徹底していないと必らず失敗するので、
現地で通用するスタッフを養成するのに10年はかかります。
成都のイトーヨーカ堂だって
全ヨーカ堂で1位2位に到達するのに10年はかかっています。
ですから中国で成功する一番の条件は
日本のデパートで経験を積んだことではなくて、
中国人が日本人と違うことを理解できるだけ
現地の事情に通しているかどうかということになります。
それができれば、日本人はメーカー業より
流通業に向いているというのが私の見方です。
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