第3730回
アフリカに新しいビジネスチャンスが
もう1冊、私が今、読みかけている本に
「アフリカ、動き出す9億人市場」
(英治出版 定価2,200円+税)という本があります。
テキサス大学オースティン校マコームズ経営大学院で
経営学教授をやっているインド人が書いた本で、
これまで何冊か読んだアフリカ関係の本の中でも出色の本です。
アフリカというと、
貧乏と治安の悪さと腐敗と病気と人類愛の話ばかりで、
私たちとしてはどこから手を出してよいのか
思い迷ってしまいます。
駐在員をしていた日本人の記者や
派遣社員の本も何冊か読みましたが、
どこから手をつけたらいいのか、思い迷う話ばかりですから、
途中で投げ出してしまいます。
それに対して、この本は
アフリカを9億人の人口を抱えた新しい市場と見なして、
その未来を予言しています。
通貨が不安定で、政情が出鱈目でも、
9億人のアフリカの人たちは
メシを食って行かなければならないのです。
ヨーロッパの人たちにとっては旧植民地だったところだし、
かつて奴隷売買のマーケットだった後めたい過去もあるので、
彼等に人間扱いを期待すること自体に無理があります。
そこへ中国とインドの政府や人々が乗り込んで行って
資源の開発と市場の開拓に精を出していますが、
暴力と腐敗からの立ち直りが期待できるとすれば、多分、
こうした中進国からさしのべられた手を組むことから
はじまるのではないでしょうか。
いままでの常識になかったような最低レベルからスタートして、
資源の開発と若い世代による新しい市場が
アフリカで誕生するきざしを見せているのです。
その役割を在外アフリカ人が果たすチャンスもふえているし、
多分、中国人とインド人が
かなり大きな力になることが現実に起っています。
世界の目がアフリカに集中するまでには
まだかなり時間がかかるでしょうが、
この本を読んでいるうちに新しい角度から
アフリカを見る自分の目を呼び醒された気分になりました。
アフリカにもビジネスチャンスが生まれようとしているのです。
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