第3667回
「香港に住む大富豪41の教え」のご一読を
日本人は好むと好まざるに拘らず、
中国人との関係が深くなって行く立場におかれています。
中国語を習うチャンスもふえたし、
中国に留学に行く若者もふえる方向にあります。
とりわけ日本国内での生産や販売が思うようにならなくなると、
企業の海外進出によって海外勤務のチャンスもふえますから、
気がついて見たら、
いつの間にか中国で働いている自分を発見するのも
珍しいことではなくなってきました。
そうなると、中国人を知る必要に迫られます。
中国人だって人間だから、
日本人と同じだという面もありますが、
環境や歴史が違うと、物の考え方や仕事の仕方だって違います。
どちらかと言えば、
同じであるよりも違うことを認識することは
人とつきあう上で重要なことです。
一頃は中国人と親しくするよりも、敵視した書物が多く、
グローバル化時代にどうしてこんな発想をするのだろうと
私は再三ならず首をかしげましたが、
さすがにこれだけ中国の発展が目につくようになると、
中国人を理解しようという動きもふえてきました。
最近、私が読んだ中国関係の本の中で面白かったのは
「香港に住む大富豪41の教え」(かんき出版刊)という本です。
著者の大塚純さんは興業銀行の出身で、
5、6年前に三菱UFJ証券香港で
大中華圏向けのファンド設立にかかわっただけに、
中国人の物の考え方、分けても香港を中心とした
企業家の発想をかなり正確にとらえています。
「華人、華僑はお金の話が大好き」というのは
真相をとらえた物の見方で、お金の話をして馬が合えば、
どんな地位の高い人とでも親しくなれるし、
末永くつきあうことになるという指摘も真相をついています。
これから中国で仕事をする人も、
中国人を理解したいと思っている人も、
肩のこらない姿勢で読める本としておすすめします。
中国人の考え方が最も的を得たものということではありませんが、
日本人との違いがよくわかるのではないでしょうか。
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