中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3612回
旧正月前が中国株の仕入れ時では?

中国の昨年度の経済成長は8.7%、
国民総生産は多分、2010年で日本を抜いて
世界第2位になるだろうと発表されています。
世界中が金融不安で総崩れになっている中で、
政府の積極策のせいとは言いながら、
政策目標を達成できたのですから、
政権交代でどこまで落ち込むか、
皆が気をもんでいる日本とはわけが違います。

しかし、目標が達せられた事を喜ぶ人よりは、
2010年度は大丈夫なのか、積極策が行き過ぎになって、
インフレがとまらなくなるのではないか、
次は抑制策が次々と打ち出されるのではないか、
と株式市場は逆に弱気になっています。
この調子では株高どころか、現金の顔を拝んで
旧正月を迎えたがる人が多いのではないでしょうか。

それはそれで天下の大勢に影響はありませんが、
新正月に私が上海、成都、昆明、北京をまわって
この目で見たデパートやレストランにおける
人とお金の動きを見る限りでは、
中国は経済成長の第二期に突入したように見えます。
年間の自動車の生産台数は
ことしも恐らく1千万台をこえるでしょうし、
不動産の値段も銀行の融資が多少抑えられ気味でも、
急速に下降する環境におかれていません。
むしろ消費動向が勢いづいた分だけ
内需が拡大する方向にあるので、
アメリカやヨーロッパや日本を抜いて、
政府の成長目標は達成できるように見受けられます。

ということは、皆が株安をおそれて売りにまわっている時が
株の仕入れ時になるのではないか。
需要が伸びた分だけ生産性のあがる分野も悪くはありませんが、
消費に生産が追いつかない分野、
たとえば水、銅、食糧、
なかでも中国の中産階級の間に定着しつつある
ワインやドリンクに人気が集中するのではないでしょうか。
既に投資家たちも気づいていることなので、
安値でゴロゴロしているわけではありませんが、
次の1年に世界中で遊んでいるお金が中国株に集中するとすれば、
旧正月前は銘柄の最検討をする
とてもいいチャンスではないでしょうか。


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2010年1月29日(金)

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