第3608回
定期預金の金利をあげれば消費はふえる
会社のお金とか、税金に払うお金を
勝手に使ってよろしいということになったら、
もちろん、人は気前よくお金を使います。
ですから、消費をふやすことが目的なら、
交際費の枠をゆるめたり、減税をすればいいのです。
でもそういう縄目をゆるめることには限界があるというなら、
あとはお金を持っている人たちに
お金を使えるチャンスをふやしてあげることです。
そのために一番簡単で効果的な方法は多分、
定期預金の金利を引き上げて
貯蓄をしている人たちの収入をふやしてあげることでしょう。
日本では国民の預金が1400兆円あると言われていますが、
只みたいな金利にして
銀行にお金儲けのチャンスをあたえるよりも
年に1%でも金利をふやしてやることができたら、
それだけで14兆円使えるお金がふえるのです。
預金をしているのは若い人たちよりも年寄りが多いし、
年寄りがお金を使うとすれば、
デパートやスーパーで今晩食べる物に
もっと気前よくお金を払うことくらいのことですから、
たちまち店の売上げ増に貢献することになります。
温泉に行くとか、海外旅行に出かける人もあるでしょうから、
その分、動くお金がふえて景気づけになるのです。
銀行に只みたいな資金を提供して、
M&Aにうつつを抜かす禿げ鷹たちに投機資金を融通するより
ずっと景気振興に貢献できるのではないでしょうか。
但し、金利をあげると、円が買われて円高を起し、
輸出に不利に働くから逆効果だと反論する人がありますが、
中国では金利をあげても人民元高にはなっていません。
人為的に操作しているからだと
見下げたような言い方をする人もいますが、
景気をつけるためにダーティ・フロートをやっている国は
いくらでもあります。
どちらを優先させるかは
それぞれの国の中央銀行が決めることであって、
国内消費を刺激するために金利をあげるくらいのことは
政府の決心1つでできることではないでしょうか。
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