第3586回
農業やるのも国内だけで考えるな
最近、新聞や雑誌を見ていると、
農業のことがやたら目につくようになりました。
サラリーマン生活に飽きて、
帰農した若い人たちの実態を記録したテレビ番組にも時々、
お目にかかります。
「農業は職業として立派に成り立つ」
といった宣伝文のついた単行本も1冊や2冊ではありませんが、
これは農業の実態を知らない出版屋さんの
早とちりと言っていいでしょう。
戦後、地主から土地を取り上げて小作農に分配したことと、
選挙の票を欲しがる政治家たちの過保護政策によって
日本の農業は再起不可能なところまで追い詰められています。
幸にも工業化に成功して
輸入食糧の支払いに困らないだけのお金を持つようになったので、
日本人は食糧の心配をしないですんでいますが、
細分された農地を再集結することは先ず絶望的だし、
大規模農業を展開できる客観的条件も全く備わっていません。
ただ日本人の職人気質は農業分野にも受けつがれていて、
それを企業化に応用できる可能性はあるので、
国境をこえて海外に持って行って企業化する余地は残っています。
つまり日本人が農業の分野で大をなしたかったら、
広大な農地と気候に恵まれた外国に出かけて行って、
そこで企業化すればいいと言うことになります。
農業は土地あっての農業ですから、
昔は想像のできなかったことですが、
グローバル化の時代になると、世界中どこだろうと、
その条件を備えたところなら、土地に新しい富をもたらし、
雇用をふやすことにもなるので、企業化が可能になったのです。
現に私は寧夏自治区で沙漠の開発にも誘われているし、
雲南省でコーヒーの栽培もやっています。
投資は海外からの資金だし、
実際に作業の監督をやっているのは日本人です。
日本の領土内だけが日本の農民の働く所ではないのです。
ですから何をやるのでも
自分たちの住んでいる所だけで物を考えてはいけないのです。
現に今日の私は雲南省の西の涯の茶畑の中に立って
次の展開を考えているところです。
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