第3501回
航空会社の株価はいつも低空飛行
政権が交替してから日本航空の再建問題が浮上してきました。
日本を代表する航空会社が早晩そういう目にあうだろうことは、
3日に一ぺん飛行機に乗ってとびまわっている私には
思い当ることがたくさんあります。
別に日航だけの問題ではありません。
世界中の航空会社はそういう目にあわされる暗雲の中に
これからも突っ込んで行く宿命を持っているのです。
利用客がなくて空席になったら、
その分、収入が消え去ることは、
航空会社もホテルも劇場もスキー場も皆、同じです。
それに加えて航空会社は石油の値段が暴騰しても
コスト高に悩まされるし、
パイロットや従業員にストをされても困ります。
その上、サーズやインフルエンザが大流行したら、
旅行を控える人が大量に発生しますから、
空席が目立つようになります。
パイロットが操縦を誤って飛行機が墜落したら、
もっと大へんなことになります。
そうとわかっていても、
航空会社はそれぞれの国を代表する交通機関ですから、
国のメンツがかかっています。
スケールが大きくなることがあっても減ることがなく、
莫大なお金がかかる上に、
国営事業並みの効率の悪さで運営されています。
これで年々利益を出して行けるわけがありません。
ですから、私は航空会社の株を買ったことは一度もありませんし、
投資家から質問を受けても、
株を買うことに賛成したことは一回もありません。
もちろん、それでも環境次第で航空会社の株も
上がったり下がったりします。
その株価の差を狙うこともできますが、
そんな差を狙うよりは
年を追う度に業績のあがる株がほかにいくらでもあるのです。
私は色んな航空会社の飛行機に乗っていますので、
どの会社のサービスがよくて、
どの会社の食事が駄目かということならよくわかります。
日本航空も全日空もサービスも食事も
平均点よりずっと上にあります。
但し、航空運賃のレベルもそれに負けません。
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