中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3473回
水処理も環境保全も次の成長産業です

海水を淡水に変えるシンガポールのハイフラックスという会社は、
日本の技術をいくつも使っているとききました。
海水の淡水化は何もシンガポールにだけ必要なものではなく、
水不足が起る世界中のどこの国でも必らず必要になるものです。
日本と言えども例外ではありません。

それならば、
シンガポールの株を買うよりも、
日本の会社の株に目をつけた方が早いと
株をやる人なら誰でも考えます。
でもよく聞いて見ると、
海水を濾過する装置にかかる費用は精々、
全体の二割ていどで、
消耗品にかかるお金も大したことはないそうです。
それならば、
やっぱりシンガポールの株を買うべきか
ということになりますが、
私たちが現場を訪問した時のハイフラックスの株価は
1株が約2.5シンガポール・ドルで、
配当は2セント前後ですから、
利廻わりが僅か1%しかありません。
長期保有をすれば充分、報いられることもあるでしょうが、
アジア株の戻りは恐らく中国株が先導することになるだろうし、
同じ水処理の会社でも
中国の水処理の会社の方がスピードが早いでしょうから、
どちらにするかはご自分で判断して下さい。

但し、どこの国でも工業が発達すると、
忽ち大量に水を使うようになるし、
使用された水は汚水になって環境を汚染してしまいます。
また水が不足すると、
農業も水不足に悩むようになってしまいます。
従って水を供給することも、
環境汚染に対処することも、
汚水を再製することも
産業界に欠くことのできない重要な仕事の1つになります。

恐らくシンガポールからスタートした水処理企業も
中国大陸で重要視されるようになるでしょうし、
中国でも中国水務だけでなく、
新しい水処理企業が次々と誕生、成長することになるでしょう。
物をつくるだけでなく、
リサイクルする産業も成長産業になりますから
廃棄物の処理再製のトップを切る東江環保も
閑過のできない存在になるに違いありません。


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2009年9月12日(土)

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