第3451回
つける薬のない製薬会社の株もあります
製薬は中国ではまだ未開発の分野です。
もちろん、中国には漢方という伝統的な医学があり、
そうした漢方を代表する上場会社もあります。
それに対して西洋医学に基礎をおく製薬会社はまだ歴史も短く、
レベルも低く、何よりも世界中の特許にしばられて、
思うように身動きもできません。
だからと言って鼻で嗤ってバカにしてはいけません。
日本だって50年前はそうだったのです。
私が株の話をはじめた時、
武田製薬はまだ小さな会社だったし、
エーザイなんて知らない人の方が多かったのです。
それが世界中に進出して、
アメリカやスイスの製薬会社と
競争をするようになったのですから、
中国の製薬会社が
そうしたレースに加わる日がないとは言い切れません。
そこに至るまでにまだまだ時間がかかるとしても、
中国には13億人の市場が控えているのです。
ですから私はこれまでにも
いくつもの製薬会社の見学に行きましたし、
小さくても将来性のありそうな会社をいくつか紹介しました。
おそらく一番将来性があって長持ちするのは
いまのところ山東羅欣でしょうが、
東瑞製薬だって大暴落のさなかで
梃子でも株価を崩さなかったのですから、
長期保有者の期待にはそむかなかったと言ってよいでしょう。
それに対して維奥製薬は元の黙阿弥になってしまいましたが、
これは経営者の入れかえもあって
私の予想をこえた変化が起ったからです。
従って百発百中というわけには行きませんでしたが、
「薬には注目を」「薬の株はいつも手元に」
という考え方はいまも変っていません。
しかし、「薬九層倍だから薬の株ならどれでも」
ということでは元よりありません。
同じ製薬株でも10年たっても
梃子でも株価が動かない株がいくつもあります。
業績を見ればすぐにもわかることですが、
産業界全体がこんなに成長しているというのに
業績も利益も一向に見栄えしないままなのです。
こういうのをつける薬のない株と言ったらいいのでしょうか。
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