中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3363回
日本人よりずっと強い不動産への関心

不動産は産業界の勢いが強いと同じように強気が続きます。
不動産は産業界の影と見てよいでしょう。
ならば産業界に強気が続く限り、
不動産業界も強気でいいことになりますが、
産業界には波があって、
3年に一度くらいリセッションがありますし、
10年に一度は津波のような大規模なものが押し寄せてきます。

私は昭和30年頃の日本の高度成長のはじまりから
安定成長、低成長になるまで
ずっとその変化につきあってきましたが、
3年に一度の小さなリセッションでも
その度に不動産業者が破産して選手交代するのを
ずっと見てきています。
必らずそういうことが起るんだから
好景気になっても
ピンチにおちいった時の準備をしておけばいいのにと思っても、
いつも一波かぶるとスッテンテンになる人が多いのです。
ですから同じことが中国でも起るぞと覚悟して
対処する必要があるのではないでしょうか。

その点、中国人の方が更に一段と投機性が強いと私は見ています。
その資金の面倒を見る銀行の方が
これまた「それ行け、ドンドン」とはやしたてる方ですから、
投資をする本人の方が手綱を締める必要があります。
景気は戻り足と私も見ていますが、嘘と思ったら、
大都会はもとより全国の主要都市の郊外に立ち並ぶ
立ち腐れになったマンションの姿を見て下さい。
しかも古いマンションは
手抜き工事と管理が行き届かないために
老朽化が急速にすすんでいます。
日本なら不動産が値上がりすれば
中古でも分相応の値上がりがありますが、
中国の不動産の中古は手のつけようがないのです。

ですからロケーションに価値があるだけで、
不動産に対する評価を東京、大阪並みの目で見たら、
全然、見当違いの結果が出て来てしまいます。
それでも不動産に対する中国人の関心は
日本人の比でないほど強烈ですから、
私の見方が正しいとは言えないことも起り得ると考えて下さい。


←前回記事へ

2009年5月25日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ