中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3353回
大陸資本で台湾株が蘇生する時代に

金融不安の国際化で
世界中の銀行や証券会社が大損害を蒙っています。
投資信託など債券に投資した人たちも
もとより例外ではありません。
ご多分にもれず、台湾の銀行界も証券界も
分相応の悪影響を受けています。
その点、中国大陸は海外資本による国内投資も、
また国内中国人による海外投資にもきびしい制限ありますので、
損害は海外取引のある銀行や企業にとどまっていますから、
1番大きな打撃を蒙っているのは
輸出の不振ということになります。
その分を国内消費の振興と公共投資の増加で
カバーしようというのが中国政府の狙いですが、
アメリカやヨーロッパに比べれば
損害は比較的軽微と言ってよいでしょう。

それに比べると、香港や台湾は欧米との関係が密接で、
貿易だけでなくお金の行き来もかなりのものです。
とりわけこの10年はアメリカ資本による
銀行や株や不動産の買収も目立っていましたので、
金融不安がはじまると韓国ほどではありませんが、
株価は大下がりに下がるし、
輸出の不振によって為替レートも1割以上も
台湾元安におちこんでいました。
国民党政府に変わってから既に1年がすぎようとしていますが、
経済不振におちいったまま、
見るべき業績が一向にあがっていません。

それがここへ来て、
台湾の株式市場に突然株価の大暴騰が起ったのです。
中台間の銀行の相互乗り入れの交渉が進んで行く段階で、
大陸資本による台湾株への投資が認可されました。
中国移動という携帯電話の会社が
台湾で同じ商売をやっている遠伝通信の株を
12%持つことが発表されたのです。
もし中国資本や香港資本が
台湾の上場株が買えるようになったら、
大陸のお金がドーッと
台湾証券市場に流れ込むことが考えられます。
それを予測して台湾のダウが1日で6.74%も大暴騰しました。
18年ぶりの快挙です。
ちょうど私が台北に滞在していた時でしたが、
台湾中の株をやっている人たちの顔色が
一せいに明るくなりました。
台湾の経済ももはや大陸を無視しては
生き残れないところまで来てしまったのです。


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2009年5月15日(金)

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