中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3220回
産業界の次の横綱はアジアへ

新しいアジアの時代になると言うことは
すぐにもアメリカが没落して
アジアがそれにとって代わるということではありません。
アメリカの没落にしても
すぐにもドルに対する評価が下がり、
円や人民元がそれにとって代わるということではありません。
ドルがどちらに向い、
円や人民元がどちらに向かうかという潮の流れ、
風の吹きまわしのことですから
更に20年も30年もかかる経済力の変化を指すものです。

これから何年もかかって
アメリカがピンチから立ち直るとしても、
富を生み出す努力と実力がなければ、
アメリカが世界の先頭に立つことはできなくなります。
そのためには世界中の人を納得させる哲学と
それを富の開発に応用できる能力が要求されます。
お金でお金を儲けようという
他人の上前をはねる行動だけで
世界の富をかきあつめることは
もはや次の時代には通用しなくなってしまったのです。

ですから他人から集めてきたお金をうまく動かしただけで、
経営のトップに立った人が年に何十億ドルも
報酬を得られるようなアメリカ資本主義は、
アメリカにおいてさえ成り立たなくなる筈です。
稼いだお金の中から節約して貯蓄した資金を集めて
新しい付加価値を生み出し、
それを人々の納得できる比率で分配するのが
次の時代の新しい動きになるでしょう。
こういう場合、一敗地に塗れたチャンピオンが
また出直してくれるのではなくて、
新しいチャンピオンと入れ替わるのが歴史の常識ですから、
新しく登場してきた中国が
最も可能性のあるチャンピオンになると見られています。
またそれだからこそ中国に対する風当りが強くなるのです。

ちょうど幕内に入ったかと思ったら
早くも三役を総なめにしたところですから、
人気よりもやっかみの方が目立つのは避けられません。
今年の勝敗が横綱になれるかどうかの決勝戦になるでしょう。
いまの日本は千代大海くらいのところでしょうか。


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2009年1月2日(金)

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