| 第3145回中国株は次の10年が大成長期です
  奈落の底まで落ち込んだ株が戻り足になる時は人気株も入れ替わります。
 相撲の番付と同じように、
 次に実力を発揮する企業も業種も入れ変わるからです。
 この10年の間に中国経済成長の柱になってきたのは輸出株です。
 輸出株と言っても、
 繊維から家電製品からIT産業まで
 さまざまの分野にわたっていますが
 供給が一わたり世界の需要を充たすようになると、
 人民元も上昇する方向に向うし、
 逆にコストも上昇する方向に向って、
 労働集約的な仕事が採算割れになって、
 広東省あたりでは
 社長が夜逃げをする企業が続出するようになりました。
 その上、アメリカの金融不安を契機として
 世界的な不況が表面化すると、
 輸出産業は往時の勢いを失ってしまいます。
 北京オリンピックを境としてそうした後退が起ることをおそれて、
 中国政府も公共投資に力を入れはじめました。
 また国内消費をふやすことによって
 輸出の減少をカバーする政策もとられていますので、
 人手不足による賃上げムードが勢いづいているのと相俟って、
 年10%ていどの成長は続くとみています。
 アメリカの金融不安が
 これ以上の打撃をもたらさないことが前提ですが、
 アメリカの景気後退をよそに、
 中国経済が成長するとすれば、
 次は公共投資と国内消費が牽引車になって
 新しい展開がはじまります。
 公共投資の大半は水や電力や環境汚染の処理から道路、港湾、鉄道、消防まで
 政府の予算と密接な関係がありますが、
 国内消費はもっとずっとスケールの大きなものです。
 サラリーが10年で300元から1000元、
 更に1000元から3000元になった次の10年と違って
 次は3000元から10000元にふくらむ時ですから、
 先進国の製品のコピーをすることから
 独自のオリジナル商品を開拓する時代に入ります。
 と同時に福利厚生に力の入る時期でもありますから、
 凄い成長をする業種は指折り数えられる範囲にとどまりません。
 アメリカの景気後退などどこかに吹っとんでしまうくらいの
 成長を期待していいのではないでしょうか。
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