中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3021回
新商品研究室もつくりました

米はアジアの人たちにとって大切な主食ですが、
米をつくって金持ちになった人は見たことありません。
米をつくっている人のピンハネをして
金持ちになった人ならいます。
地主もそうだったし、
サムライも年貢で取り立てて暮らしを立てていました。

米をつくったのでは金持ちになりませんが、
米をご飯にして弁当屋をやったり、
すし屋をやった人のふところ具合はお百姓さんと違います。
一粒当りの付加価値がまるで違うからです。
ですから、雲南省のように農作物が豊富で
加工によって付加価値をつける余地のあるところに行くと
つい腕が鳴ってしまいます。

そこでコーヒーの焙煎工場の傍らに新商品研究室をつくって、
雲南省の農産物を加工して
先ず雲南省名物をつくることからはじめることになりました。
前回にも述べたマンゴーのプディングとか
カボチャのプディングもその一つですが、
最初は何とか冷凍食品にして
日本のスーパーやデパートで売れないものかと考えましたが、
ギョウザの前例もあって
中国製では思うように行かないかも知れません。
ところが、中国国内の動きを見ていると、
人々の所得水準も急速に改善されているし、
国内の消費もうんとふえていますから、
何も日本までわざわざ持って行かなくても
間に合ってしまうような気もしてきました。

何しろ観光ブームで中国じゅうが沸き立っているのに、
どこの観光地に行ってもハンコ屋が並んでいるだけで、
立食いをしたくなるような名物もなければ、
お土産に持って帰りたくなるような土地の名産もありません。
なければ新しくつくればいいじゃないかというのが私の考えです。
そうなると、土地の農産物で
ほとんど利用されていないことがやたらと目につきます。
ソバ粉を使ってカステラもつくって見ました。
真ん中にアンコを挟んでドラ焼きもつくって見ました。
昆明の市長さんにもずいぶんと誉められたそうです。
これも日本人の創意工夫があってこその新製品です。


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2008年6月17日(火)

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