中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2907回
銘柄選びより辛抱の仕方の研究が大切

時間について考えたことありますか。
「時は金なり」と言われます。
「金は時なり」とは言いません。
時間を金に換えることはできますが、
いくらお金を積んでも時間に換えることはできません。
たとえばお金を積んで他人の青春を買うことはできますが、
自分の青春はいくらお金を積んでも買い戻すことはできないのです。

時間はあらゆる難題の最大の解決者です。
怒り心頭に発するような事件が起って、
一生かかっても心がおさまらないだろうと思ったことでも、
時間がたつと次第に風化が起って落着くところに落着くものです。
ですから難しい問題は性急にその場で片づけずに
時間をかけて風化するに任せることが必要です。

同じように株式投資にも、
時間を上手に利用する人とそうでない人とでは
大きな差がついてしまいます。
私はよく「株の儲けは辛抱料」と言いますが、
どんな株でもその成果が上がるまでに一定の時間が必要です。
どの銘柄を買うかに使うエネルギーが10%とすれば
値上がりするまで辛抱することに使うエネルギーは
90%と言っても決して言いすぎではありません。

殊に何回もじらさせてやっと売れる水準まで達した株を
売らずに我慢するエネルギーは大へんなものです。
株は上がりはじめると
上がるエネルギーが内在するようになりますが、
スイスイと上がらずに行ったり来たり、一休みをしたりしますので、
それに対応するのは容易なことではありません。
すべて時間との戦いなのです。
ですから、相場を見て、売るか売らないかを決めるよりも、
売らないように我慢する方がずっと大へんなのです。

はっきりわかっていることは
早売りする人よりも、
ジッとガマンする人の方がずっと大きな成果をあげていることです。
ですから株で成果をあげるためには
銘柄選びよりも時間の使い方をよく研究して
それを身につける方がずっと大切だということになります。


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2008年2月24日(日)

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