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         第2864回 
          海外投資の収入も総合所得税の対象です 
        小口投資家の海外投資がはじまろうとしています。 
          いや、もうはじまっています。 
          日本の税制は総合所得税制になっていて、 
          海外投資による収入も含めて、さまざまの所得、 
          たとえば、利子所得、配当所得、 
          不動産所得、一時所得なども含めて、 
          毎年3月15日に税務署に申告する必要があります。 
        普通のサラリーマンは給与所得を申告するだけですみ、 
          貯金の利子所得や株の配当所得は 
          大抵、源泉控除だけで間に合うので、 
          あまり税法とはかかわりがありません。 
          したがって税法にも無知で無関心です。 
          ところが、中国株などの外国株投資をはじめると、 
          配当や譲渡所得に対して申告の義務が生じ、 
          10%と僅かな税率でも税金を払わなければならなくなるので、 
          途端に税金に関心を持つようになります。 
          とりわけ現地に口座を持って 
          現地で取引をしている人は現地で税金を徴収されないので、 
          その差に比べて不平を鳴らします。 
        しかし、厳密に言うと、 
          現地で税金を払わされていない人でも、日本に住んでいる限り、 
          (つまり日本に住所が登録されている限り) 
          外国で生じた所得でも、 
          日本国内の所得と合算して税務署に申告する義務があります。 
          そのために、日本の証券会社の現地法人は、 
          日本に住所のある日本人の口座は受けつけませんが、 
          ホンコン・シャンハイ・バンクや中国銀行の証券部をはじめ、 
          現地の証券会社は何国人だろうと、 
          現金とパスポートを持ってきた人が口座をつくることも、 
          従って株の取引をすることもすべて承知します。 
          現地においては正当な商行為だからです。 
        そういう口座がたくさんつくられていることは 
          税務署でも知っています。 
          とるに足らない小さなお金なら 
          お見逃がしということもあるでしょう。 
          でも何かのきっかけで、それが露見すると 
          煩しいことになることも覚悟する必要があります。 
          肝っ玉の小さいサラリーマンが 
          そんな芸当をやることはありません。 
          税法の研究をするのは 
          もっと大きな収入があるようになってからで充分間に合います。 
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