中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2857回
旧天地で日本の焙じ茶を売る夢

私は材木屋(気が多い)なので、
1台何千万円もする建設機械から
1杯20元のコーヒーまで売っています。
本当にお金が儲かることよりも
実際に試して見て納得することに興味を持っているからです。
おかげで30何年も前に、丸井の青井忠雄さんから
「邱センセイはやらなかったことの方が少いんじゃないですか」
と冷やかされたことがあります。
癖というのはいくつになってもなかなか癒らないものなんですね。

というわけで、昨年の暮れから「旧天地」の開発をはじめました。
先ず1軒目は雲南省の山の中で
コーヒーの樹を植えることからはじめた
「宝の山」ブランドのQコーヒーを飲ませる店。
これは10坪もない小さな店なので、
いくらお客が満員になっても採算には乗らない店。
とりあえず基地をおくために
他人のつくった店を譲り受けたのですが、
すぐ近くに3階建のフランス風の古い建物が借りられたら
そっちに移る予定。
タイシルクを改良して世界に紹介した
ジム・トンプソンを気取って
アジア一のコーヒー・ブランドをつくった記念館にしよう
と皆が言うので、ことし早々に着工の予定。
そうなると、コーヒー・ハウスは2軒はいらなくなるので、
お煎茶、つまり中国では売っていない日本茶、
即ち焙じ茶と番茶を売る店に切りかえます。
上海に住めばわかることですが、
中国には日本のようなお番茶はどこにも売っていないので、
私は食後の一杯のためにわざわざ日本のデパートで買って
北京と上海まで持って行っているのです。
いくら飲んでも胃を痛めず、夜がぐっすり眠られるお番茶を
上海で買えるようにしたいのです。

ついでに、雲南のソバ粉でつくるカステラと、
アンコをカステラで包んだドラ焼きもつくります。
店の外に日本のお茶屋さんの店頭にあるような
焙じ茶の機械を並べてクルクルまわせば
通り一杯がお茶の香りで通る人も思わず立ちどまって
胸一杯息を吸い込む筈です。
そんな他愛のない夢を実現する夢を見ているところです。


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2008年1月5日(土)

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