中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2826回
ドル安で悩む時が近づいています

最近の動きを見ていると、
サブプライム・ローンの崩壊で、
世界中からアメリカに集まっていたドル資金が
逃げ腰になっています。
そうなると、ドルから自国通貨に兌換する人がふえますから、
日本でもドル安円高、
それも円の新高値ということが考えられます。

もちろん、一瀉千里にドル安になるわけではありません。
しかし、ドル安が時のトレンドになると、
「ドルの終わりの始まり」がはじまります。
それがどこまで行くかはアメリカの対策いかんにもよりますが、
1ドル100円を割ることも
視野のうちに入れておく必要があります。
こういう時はドルで資産を持っているのも考え物だし、
本当はドル建てで商売をやるのも危険が伴います。
と言って長い間の習慣をいきなり変えることもできませんから、
可能な限りの安全弁を働かしておく必要があります。

たとえば、北京や上海でもらう家賃はずっとドル建てでしたが、
最近はすべて人民元建てに切り替えてしまいました。
それでも配当金の海外送金は原則としてドル建てですから
ドル建てのまま銀行に預金されてしまいます。
うっかりドルで持っていると、
毎日、目減りする危険に曝されます。
日本に住んでおれば、
円で持つのが常識ですから大丈夫でしょうが、
アジアの国々に住んでいる人たちは
ドルで持っていることがいいかどうか
検討してみる必要があるようになったのではないでしょうか。

このことは香港ドルを持っている人や
香港ドルで中国株に投資している人にも言えることです。
中国株に投資している場合は、
米ドルにリンクした香港ドル建ての株価が動くでしょうが、
現金で持っている香港ドルは
ドル安に比例して値下がりすることが考えられます。
したがってなるべく
香港ドルを現金で持たないようにする必要もあります。
いっそ人民元に換えておいた方が安全ですが、
人民元で香港株を買えないので、
売買の度に兌換する余計な手間がかかります。
どちらにしても為替で頭を悩ます時期が近づいているようです。


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2007年12月5日(水)

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