中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2798回
ドバイで一泊65万円のホテルに

ドバイにはずっと前、ヨーロッパに行く途中、
一回だけ飛行場に、着陸したことがあります。
飛行場の中がキンキラキンで、
宝石や高級時計の店がズラリと並んでいた記憶があります。
どうしてそういうところへわざわざ足を運ぶ気を起したかというと、
石油ブームで潤っている回教圏で
アブク銭の中に埋まって生きている人たちが
どんな生活をしているのか、一目見てみたいと思ったからです。

私は新規事業のテスト屋みたいな一生を送っていますので、
懲りもせず失敗をくりかえしていますが、
時々、間違ってお金がころがり込んでくることがあります。
その中の一社がアブク銭をつかんで、
役員会をドバイで開こうじゃないかということになったのです。
中国では10月1日の国慶節から1週間ほど連休があります。
その時期なら仕事が休みになりますので、
北京から先ずイスタンブールにとんで、
イスタンブールからシンガポール航空でドバイ入りをしたのです。

ドバイは沙漠の中に突如として立ちあがった
アラビアン・ナイトの夢の中の都として
いま世界の注目の的になっています。
羊を飼うことくらいしか生計の途のなかった地域で
突如として石油が出ることがわかり、
それも自分たちが開発したのではなくて、
欧米資本によって開発され、あれよあれよと言っているうちに
巨億のお金がころがり込んだというだけのことです。
それこそアラビアン・ナイトの中に出てくるような夢物語ですが、
突然、足元から湧いてきたお金を
何に使ったらいいのか
見当もつかないままにはじまった無駄遣いの典型ですから、
一度は自分の目で見てみたいと思っただけのことです。

私と家内と、あと総経理夫妻と、もう一人副董事長と総勢5人で、
例の写真によくでてくる船の帆の形をした
バージュ・アル・アラブというホテルの22階で
寝室が3つある部屋に2晩泊まりました。
1泊が65万円でしたから、
それこそ帆柱の上からとび下りる気持ですよね。


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2007年11月7日(水)

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