第2686回
今回は過剰流動性に終始してしまいましたが
この2、3年で、人民元の切り上げと賃上げと資産インフレで
中国人のふところ具合は
倍くらいにはふくれあがると見ています。
そうなって行く過程で、
中国人はふえたお金を何に使うでしょうか。
それを比較的正確に把握できる人は
中国でビジネスを展開する場合でも、
また中国株や中国の不動産に投資する場合でも、
それ相応のリターンがあると考えていいでしょう。
大雑把な言い方ですが、
多分、中国人はふえた所得の半分を、
貯蓄や投資にまわしてもっと財産をふやすことにさし向けるし、
残りの半分は自分たちの生活をもっと豊かにするために、
自動車を買ったり、おいしい物を食べたり、きれいに着飾ったり、
また観光旅行に出かけたりすることに使うでしょう。
そのどちらも同時に起るので、
見ている方も目がまわってしまいますが、
どちらもお金が大きく動きますので、
投資の環境としてはどこにも悲観材料は見当りません。
株価がジェット・コースターのような激しい動きをするので、
スリルはありますが、
中国経済を動かすシステムが故障する可能性は低いので、
ふりおとされる心配はありません。
したがって
自分からあわててとびおりて怪我をする人はおりますが、
バタバタしているうちにまた元のところに戻っている、
しかし、気がついてみたら社会全体の富が倍になっている――
というのが私の描いている予想図です。
こういう経済の高度成長期は
中国の成長株を追えばいいだろうという基本姿勢を
大きく変える必要はなさそうだと
私は自分自身に言いきかせています。
早いもので、「もしもしQさん」も
これで25巻目が1冊の単行本の分量に達しました。
今回はたまたま中国の貿易黒字に一段と加速がついて、
過剰流動性による資産インフレの兆ざしが見えてきたので、
株価の位置に大変動が起りますよという予告で、
立ったり座ったり、駈けまわったり、
皆さんに忙しい思いをさせてしまいました。
でも日本人にとっては既に一回、体験したことですから、
冷静に対応すればいいことです。
明日からまた次に起ることについて取組むことにしましょう。
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