中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2620回
株主に対する無知には教育が必要

2006年度の決算報告と配当の発表は
ほぼ一段落するところまできました。
好決算で株価が押し上げられた銘柄もありますが、
期待通りの好決算にならずに、
逆に株価が下押ししているものも少くありません。

私が成長株として取り上げた中でも、
大賀伝媒と東江環保は無配、
東瑞製薬と常茂生化は増収減配になっています。
また上海棟華は業績は順調なのに、
株価とバランスのとれない低価格の第三者割当が躓きの石になって、
株価が冴えない水準をうろついています。
皆それぞれに理由があっての配当政策が株価に響いていますが、
私が経営陣に接した限りでは
上場してからの歳月が浅く、
株主対策がうまく確立していないせいだという印象を受けています。

中国の大型株はほとんどが国営で、
経営者は政府の方を向いて仕事をしていますので、
株主など眼中にありません。
たまたま伝統的に高配当をやってきた企業は別ですが、
新しく上場してきた銘柄の中には、
かなりの増益になっているにも拘らず、
増配どころか、平気で無配を続けている企業もあります。
それでも増益が買材料になって株価を上げていますから、
この機会に増益高配当の株に乗り換えるのが身のためだと思います。

増益なのに無配に転じた東江環保には
多分別の考えがあるのでしょうが、
増収減益といっても配当をやめるほどでない決算をした大賀伝媒に
「どうして昨年並みの配当をしないのですか。
株主があなたの会社の最大の支持者なのに」
と文句を言うと、
「わかりました。
株主総会の時点ですぐ改めます」
と二つ返事で了解してくれました。
無配と発表した途端に、2割も売られましたが、
本当は増益の積りだったのに減益になったのは
重慶でパートナーになった企業に
5百万元ほどやられたからだそうです。
こういう会社は体質的に上昇期に向っていますから、
気の長い人は短気勝負の人たちと入れ代わってやって下さい。
私ももちろん、
これから一緒に新しい仕事をはじめるくらいですから。


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2007年5月13日(日)

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