中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2616回
人の行く裏に道あり、成長株の山

中国株が一時的な暴落に見舞われていた時、
私が自分の相場観について何一つ触れなかったのは、
「それが一時的な現象で、
産業界のトレンドが大きく変わった結果、起こったものでない」
と思ったからですが、
私は株は買っていますが、
相場をやっている人ではないからでもあります。

銀行や保険の株が大下がりに下がると、
私の持っている銀行や保険の株も
同じように大下がりをしますが、
私の持っている大型優良株は
値上がりによって元金に相当する部分を
売却して回収していますから、原価は只です。
私はそうした持株を「儲けのカス」と呼んでいますが、
一流株がいくら売り叩かれても、ゼロには届きませんので、
あわてることは先ずありません。
優良株ほど快復は早いので、
あとは元へ戻るのを待つばかりです。

ほかに主力になっているのは
すべて私が成長株として取り上げた銘柄ばかりですが、
不思議なことに大暴落にあってもあまり値を下げません。
その代わり売り買いがとまってしまいます。
成長株を買うほどの人は相場をやらないので、
暴落した時に投げたりしないのでしょう。
その代わり大暴落の時に
換金しようとしても換金はできませんから
買った株と心中するくらいの覚悟がないと、
成長株買いで業績をあげることはできません。
私に提灯をつけて株を買うのはかまいませんが、
株の動きがとまったり、逆に自分の買値を割ったりすると、
私が売っているのだろうと悪態の限りをつくす人がおります。
成長株買いは
もともとそういう性格の人には向いていないのです。
現にその人たちが投げた株を私がまた拾うという場面も
再三ならずあります。

となると、成長株買いは相場が大きく動く時も、
また資産インフレで株価が上昇を続ける時も、
成長さえ続けば、株価もそれに比例して上昇します。
むしろ、相場の動きの大きい時ほど
そのかげにかくれて上昇を続けます。
「人の行く裏に道あり」というのは
こういう目立たない動きを指すのではないでしょうか。


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2007年5月9日(水)

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