中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2610回
何が起っても驚かない心の準備を

中国政府が先頭に立ってあれこれ知恵を搾っても、
外貨減らしの問題が片づかないとなると、
権力の強い共産党政府のことですから、
私たちの想像をこえる強行手段に訴えることもないとは言えません。
たとえば、不動産のこれ以上の暴騰を押え込むために、
外国人の不動産取得を禁じたり、
一定のスペース以上のマンションの部屋数の建築を制限したり、
あるいは手に入れた不動産を2年以内に手放した場合、
儲けに対して特別の税金を課したり、
考えられる限りの小手先対策は既にすべてとられていますが、
そんなことで人民元の洪水が不動産に向うのを
食い止めることはできそうにありません。
仮に溢れる資金が不動産に向うのを食い止められたとしても、
小額の資金で買える株に庶民のお金がドッと流れ込むのを
食い止めるのはもっと困難なことに属します。

そうなったら、中国政府がどんな挙に出るか、
私にも見当がつきませんが、
かって個人だろうと、会社だろうと、
銀行口座から引き出せるお金を
1日5万元と制限したことがあります。
私たちのような外資企業でも
給料日に従業員にサラリーを払うために、
毎日5万元ずつ現金を引き出して
金庫の中に入れておくことが続いた時期があったのです。
従って銀行預金の引き出しにストップをかけるような
常識では考えられないようなことが起らない
という保障はありません。
私が言おうとしていることは、
どんな対策が打ち出され、どんなブレーキがかかろうと、
お金の洪水が続く限り、
溢れ出る大量の札束の洪水を食い止める方法はないだろう
と言うことです。
国によって対策は色々でしょうが、
私たちの常識をこえることが起る可能性があるので、
いくら予防対策を講じた積りでも
安心ができない時代に入りつつあるということです。

私はかなり前から、
「株価は10倍、人民元は1ドルが4元」
という説を唱え、
中国の新聞雑誌やインターネットでも
くりかえし報道されていますが、
いよいよその本番がはじまった
と考えていただいてよろしいと思います。
もちろん、ゴールに到着するまでに
まだかなりの時間がかかるでしょうが。


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2007年5月3日(木)

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