中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2460回
成長株は買うもので売るものではありません

どシロウトの私が兜町まで出かけて行って
株の買い方を中小証券の社長さんや
四大証券の株式部長さんたちにきいた時、
そういうプロの人たちが私に教えてくれたことは
ほとんどが相場を睨んだ株のやり方でした。

株が上がるか、下がるか、が問題で、
そういう相場をつけた株がどういう風に流れて、
どうなるかについて思いを至す人は皆無という状態でした。
僅かに丸三証券の長尾貫一という社長さんが
成長株というアイデアを持っていて、
千代田化工とか、日本瓦斯化学とか言った、
当時としてはほとんど無名に近い会社の株を
会社で保有していたのが印象的でした。

私は相場のことはわかりませんでしたが、
日本経済が工業化の波に乗れば
下へ行くほど大きくなると見ていたので、
経済の発展によって売上げもふえ、
利益も上がる会社は何かということに1番関心を持ちました。
ですから中央公論社長の嶋中鵬ニさんから週刊誌に
「会社拝見」という連載を頼まれた時、
すぐに承知をして全国これと思うところをとびまわって
将来、大会社になりそうな会社を見てまわったのです。

その中には、千代田化工とか、リコーとか、
徳島ハム(いまの日本ハム)とか、東洋陶器(東陶機器)とか、
オンワード樫山とか、
いま業界を代表する大会社がありますが、
私がこれらの会社をとりあげると、
賛成してくれた投資家たちの買いが入ったので、
その度にストップ高をしました。
しかし、
その度に私が売り抜けたと思った人がいたかも知れませんが、
成長株は売り抜けた人よりも、
成長を確信してずっと持ち続けた人の方が、
ずっとお金を儲けたのです。
なぜならば、これらの株はその後もずっと成長を続け、
増資増資をくりかえしただけでなく、
株価もダウ平均の上昇につれて何倍にもなったからです。

いま私は中国の成長株に目をつけていますが、
私が奨めて株価が値上がりをすると
私が売り抜けているとどこかに書いてあるのを読みました。
売り抜け専門の人たちがそういう見方をするのも、
無理はありませんが。


←前回記事へ

2006年12月4日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ