第2451回
「広告でいちばん大切なこと」を読んで下さい
最近、私が手にとって読みはじめて、「巻おくあたわず」
とうとう最後まで一晩で読み終わった本に、
翔泳社というあまりきいたことのない出版社から
新しく版行された
「広告でいちばん大切なこと」(1800円プラス税)
という本があります。
原作は別にいまの広告ビジネスをとりあげたものでなく、
19世紀末から20世紀初めのアメリカで
広告業に一生を賭け広告の異才
クロード・ホプキンスという人が
半世紀にわたる自分の体験を自伝的方式で本にまとめたものです。
ちょうど私が中国の成長産業の一つとして広告業に目をつけ、
片っぱしから
可能性のありそうな上場企業にあたっている時でもあり、
広告業の原理原則から業界の実態、
さては広告テクニックやデザインの本まで
文献を読み漁っている最中なので、
同じ著者の、同時出版されたもう一冊の
「広告マーケティング21の原則」(1600円プラス税)
とあわせて二冊を買って帰って
自伝的色彩の強い一冊目から読みはじめたのです。
将来、牧師になることを嘱望されながら、
母と訣別して家をとび出し、
生活のために次々と職を変えながら、
色んな会社の宣伝広告をするポジションについたり、
広告会社の責任者になったり、
実際に独立自営をした時は
家をとび出してから35年もたっていました。
この人の考え方は一口で言えば、
「広告業はセールスマンシップである」ということであり、
たくさんの人に
どうしたらこちらの売りたい物を買ってもらえるか
という心理学の徹底的な追究です。
ご本人は「科学的広告」と呼んでいますが、
株式投資も心理学だと私がいつも言っていることと
一脈も二脈も通ずるものがあります。
研究しなければならないのは
物を買ってくれる人の心理であって、
物を買ってもらいたい側の心理にあわせることではありません。
新聞や雑誌が主な媒体だった時代が
テレビやインターネットやモバイルに変わっても、
不変の鉄則だということがわかります。
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