第2442回
あなたならどちらの株を選びますか
どこの会社にもその会社の気風があります。
私が訪問した山東省の羅欣薬業
(ルーシン・ファーム)という会社は
創業者である董事長の性格から醸し出されたものでしょうが、
役業員の上下にあまり分けへだてがなく、
夜遅く飛行場まで私たちを迎えにきてくれた秘書室の若者は
入社してまだ2年しかたっていない23歳の若造だというのに、
2006年度の会社の売上げはどのくらいになり、
また計上益はどのくらいになるかまで
ちゃんと頭の中に入っていました。
また翌日、一通り工場の中を見学したあと、
董事長室に入って董事長が来るのを待つ間、
平気で董事長の座る椅子の隣りの椅子に座りこんでいたし、
実際に董事長が入ってきた時も、
腰をおろしたままおしゃべりを続けていました。
ハハン、ここは家族的な雰囲気の会社だなと、
何の説明を受けなくとも私にはすぐにわかりました。
本社に訪ねて行く前に、
この会社の上半期の業績発表がありました。
それによると前年度同期に比べて
売上げは35%ふえていますが、
利益は何と72.87%もふえていました。
昨年の12月に上場したばかりですが、
年々順調な伸びを示しており、
この調子なら年間を通じて
今年もかなりの成長が期待できそうです。
どうしてかというと
製薬会社はどこも冬に向う下半期の方が
売上げがふえる傾向をもっているからです。
そう考えてあと3ヵ月の売上げも含めて
2006年度の業績予想をきくと、
2006年度ではなくて、2007年度の数字が出てきました。
もしそうだとしたら、
来年の配当予想はことしの50%増か、
場合によっては倍の4セントが視界に入ってきます。
私が訪ねて行った時は、
株価はまだ50セント台でしたから、
成長を買うなら
東瑞製薬よりもすぐれた条件を備えていることになります。
上海に帰ってから発表された
第3四半期までの増益率は57.11%でしたが、
年間を通じての予想増益も大体そのへんに落着くでしょう。
私の見たところでは
東瑞も羅欣もいずれ
一致薬業や麗珠医薬に追いつくでしょうが、
さてあなたならどちらを選びますか。
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