中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2436回
中国のクスリの株はなぜ上がらない?

中国の外貨準備は
日本を追い越して世界のトップになりました。
これ以上、貿易黒字がふえたら、
世界中の貿易赤字国からの圧力が激化します。
私は香港の「亜洲週刊」のインタビューを受けて、
「将来、人民元は1ドル4元になるでしょう」
と答えましたが、
それは「円が1ドル100円になるでしょう」と
実際にそうなる9年前に予言した、その続きみたいなものです。
すぐには4元にならないでしょうが、
レースはもうスタートしているのですから、
たとえ牛歩戦術が続いても、
輸出にはブレーキがかかるでしょうし、
今後も高度成長を続ける気なら、
消費経済への政策的な誘導が不可欠になることは
間違いありません。

実際には政府が誘導しなくとも、
お金の動きは既にその方向に向っています。
1年に8%とか9%の成長が続けば、
人々のふところ具合はそれに比例して豊かになっていますし、
ふところ具合に変化が起れば、
政府に言われなくともお金の使い方が変わります。
ですからお金がどういう流れ方をするかがわかれば、
産業界のどこに陽が当るかもわかります。

たとえば、つい最近、
私は製薬会社の業績がよくなるでしょうと言って、
山東羅欣と東瑞製薬の2銘柄を引き合いに出しましたが、
私が製薬会社に目をつけたのは
いまにはじまったことではありません。
クスリ九層倍といって、クスリは原価が安いものですから、
業績があがるようになるととても利益があがります。
日本の製薬会社の株価を見たらすぐにもわかることです。

中国でも少し所得が上がったら、
皆が身体に気をつけるようになるだろう。
そう思って上場株を軒並み調べても一向にパッとしません。
なかでも一番ひどいのが山東新華製薬で
もう10年も前から上場しているというのに、
10年たっても梃子でも動かないのです。
ここの薬はきっと効かないのだろうと、
人の会社のことも疑いましたが、
同時に自分の頭の構造も疑わずにはいられませんでした。


←前回記事へ

2006年11月10日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ